前回のカスタムレポートは「ペンキシリーズ」でしたね。あれは私の中で早くもシリーズ化が決定しています(笑)。今回も、うまくいけばぜひシリーズ化したいと温めている待望の企画です!
オマージュ品を仕立て屋さんで作ると安く買える?
皆さんの町にも必ずある「仕立て屋さん(テーラー)」。主にスーツを扱っているお店が多いですよね。スーツはシワがなく、ツヤ感があり、体型にジャストフィットしているのが良しとされます。仕立て屋さんは、そんなスーツやシャツをオーダーメイドで仕立ててくれる、まさにビジネスマンの強い味方。だからこそ、どこにでもあるんです。
「でも、オーダーメイドって高いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、結局は生地や細部の加工次第なんです。お店にもよりますが、3〜4万円くらいから作れるところも多いはず(上限はありませんが!笑)。
例えば、プラダやジルサンダーなどのハイブランドのスーツのディテールをチェックして、そのエッセンスを仕立て屋さんに落とし込んでもらえば、20万円、30万円もするセットアップを数万円で実現できる可能性を秘めているんです。要は、「ハイブランドっぽいもの」を手の届く価格で作れるということですね。
今回の企画は、その「テーラード」という既成概念をシルエットやディテールで崩すのが得意なヨウジヤマモトに注目。果たして、「ヨウジっぽいもの」を仕立て屋で作れるのかという挑戦です。
チャレンジするアイテム:21SS ヨウジヤマモト プールオムのデニムブラウス
今回、オマージュ元として選んだのは、このアイテムです!

出典:Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)|【公式通販】THE SHOP
2021SS Yohji Yamamoto POUR HOMME の「8OZ DENIM LEFT FRONT DOUBLE BLOUSEE」。これがなんと、462,000円もするんです…ひぃ!もちろん、記念に行きつけの店舗で試着はさせていただきましたよ。


出典:Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)|【公式通販】THE SHOP
このアイテムは、名前の通り、左前に前掛けのような生地がついていて、右肩のボタンで留める仕様になっています。特に生地へのこだわりが強く、8オンスのデニム生地をさらにウォッシュ加工しているからこそのこの価格だそうです。他にも、同じ生地を使ったジャケットやパンツなど、2021SSには高額なアイテムが複数展開されていました。
今回は、そこまでの装飾は不要。シンプルに、前掛けやワッペンはなしで、後ろもシャツのようなシンプルな仕様にしようと考えました。
素材と詳細の仕様決定
モデルさんが着用しているイメージを参考に、細部を調整するために仕立て屋さんへ相談に行ってきました。
仕様については、「Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)|【公式通販】THE SHOP」のサイズ感を参考にしました。仕立て屋さんはジャストサイズを得意としますが、今回は「肩をどれだけ落とすか」が特に悩ましいポイントでしたね。担当の方ももちろんプロなので、トレンドにも精通されており、様々な提案をしていただけました。
「コート」ではなく「シャツ風」にすることを中心に、以下の点を決定しました。
- 裏地なし: ドレープ感を最大限に引き出すため。
- 裾にスリット: 動きとドレープ感を出すため。
- オーバーサイズ: ヨウジヤマモトらしさを出すために、全体のシルエットを大きめに。
- 袖は筒形: シンプルなデザインに。
- ステッチの糸の色: 生地になじむ色、またはアクセントになる色を検討。
- ボタンの大きさ: シャツ寄りにするため、小ぶりなものに。
そして、今回の肝となる生地は、イタリア・ナポリにて1920年に創業した老舗生地メーカー「Caccioppoli(カチョッポリ)」のデニムをチョイスしました。
ここが肝だったのですが、ちょっと良い生地を選びすぎてしまったかもしれません…。結局、仕立て代込みで15万円になってしまいました。初の試みだったので、7万円くらいの生地にすればよかったかな、と少し後悔しています。

仮縫いを経て、いよいよ完成へ!
そして、仮縫いを経て、ついに完成しました!
なんということでしょう。(劇的ビフォーアフター風に!)
生地感はなかなか良いですね!期待通りのヒラヒラ感、ドレープ感が出ています。ワッペンをなしにしたので、かなりシンプルな仕上がりになりました。


さっそく、着てみました。


ただ、少し残念なのが「肩」です。やはり、もっと落とせばよかったと後悔しています。注文時に少しビビってしまったんですよね。ハンガーにつるすと肩が落ちているように見えるのですが、実際に着てみると、もう少し肩幅に余裕がないと、イメージしていたような「落ち感」が出ないようです。前を閉じると、パットなど入れていないのに、少し「いかり肩」のように見えてしまうのが惜しい点ですね。


ウォッシュ加工はできないので、これから着倒してアタリを出していくつもりです。
また経過報告ができるよう、ガシガシ着て育てていきますので、次回のレポートもお楽しみに!
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